街の変化、人の顔
私は埼玉の狭山市に住んでいる
5年ほど前に狭山市の駅前が新しくなった
前は、細々だが個人商店が並んでいた
280億円をかけた開発によって
個人商店はほとんどなくなり
代わりに
全国チェーンの店がそこに並んだ
いい悪いの話ではない
それが全国で起こっていることだ
いや世界的に起こっていることだ
(この前フィンランドから来ていたトーマスくんの故郷も同じだと言っていた)
個人店では家族の顔が見えた
先代のことも知っていたり
そこの親戚スジまで知っていたり
女癖の悪いと評判のオヤジがいたり
出来のいい息子がいたり
ギャンブル好き奥さんがいたり
なかなか面白かった
そこにあったのは
物質としての店だけでなく
店を経営する家族まで含めた
人生とストーリーのある
自分の街の一部だったのだと思う
チェーン店になると
すっかり様子が変わる
店員さんは名札はついているけど
どこのだれだかわからない
ちゃんとしたマニュアルがあり
全国どこでも同じ対応がされる
初めて買い物をするには安心だけど
人がロボットに近くなるみたいだ
280億円もかける価値があるのか
わからない
こんなことだから
就職ではマニュアル通りに仕事がこなせて
個性を殺した人が重宝がられる
現代は
人の顔がどんどんなくなっていくのだ
これは働く人にとったらストレスだ
自分らしくしてはいけないのだ
映画「千と千尋の神隠し」で
千尋が忙しさの中
自分の名前を忘れそうになる
それがリアルに現代と重なる
どうしたら
自分の顔をなくさないように生きられるか?
考えながら生きていたい。